2016年1月に騙し討ちで導入され、以降8年余りにわたって金融機関の収益を圧迫してきた憎きマイナス金利政策がついに撤廃された。同時にYCCとオーバーシュート型コミットメントもゴミ箱に放り込まれた。植田日銀が始まってちょうど1年になるが、前任者の負の遺産の大半を ...
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春のマイナス金利政策撤廃が現実的に
12月の政策決定会合で壮大な空振りを演出した日銀の金融政策のその後について。植田日銀がマイナス金利政策の早期撤廃期待をにべもなく否定した後、年末にかけて米金利が更に大きく低下するなど外部環境も怪しくなり、年が明けるとすぐ能登半島地震が続き、1月会合の展望 ...
潤沢準備レジーム下のヘッジ付き外国債券投資の総括
年の暮れにあえて、主に機関投資家コミュニティが行ってきた「ヘッジ付き外国債券投資」というマニアックな話題について。貯蓄超過の日本から名目利回りが高い外国債券への投資フローは数十年単位で続いてきたが、一部の年金投資家や個人投資家は為替リスクを取れるのに対 ...
ドル円フラッシュクラッシュと日銀空振りサプライズ
12月の円相場はまたしても荒れた。二つの要人発言が重なったことで為替市場には円買いが殺到し、12/7にドル円は急落した。本邦個人投資家の為替証拠金取引(FX)の最大レバレッジは25倍なので、多くの人がポジションを持っているコストから4%ほど逆の方向に行けば統計的に ...
当然何も出て来ないジャクソンホールと中立金利
利上げサイクルがどう見ても終盤に近付きつつある中でも一向に債券に買い安心感が出て来ない。過去の前例では利上げが止まったらあとは利下げしかないので目を瞑って債券を買えばよかったことが分かっているが、2023年夏になってその瞬間が近づきつつあることが分かってい ...
日本銀行は脱兎の如くYCCから逃走
日本銀行は7/28の金融政策決定会合で2018年から続けてきたYCC(イールドカーブ・コントロール)政策をあっさりと「柔軟化」した。本ブログとしては植田総裁の就任時点から一貫して「YCCの余命は長くない」「7月会合に限らず、全ての会合でYCC修正がライブであるとの従前 ...
株式にしか関係なかったディスインフレーション
米国の金融政策については気だるい時間帯が続いている。インフレーションの減速(disinflationと表記される。慢性的なデフレーションとはまた別の意味の、あくまでも減速である)は順調に進んでいる。その結果Fedの仕事はほとんどなくなっている。これはFOMC警戒もその剥落 ...
構造的になった円安と日本の金融、為替政策の再考
植田日銀がレビュー催眠を通じて日本国債のショーターを駆逐し、副作用として大幅な円安を招いてから、再び円金利と為替相場が荒れている。昨年末のYCC修正で一時期130円を割り込んでいたドル円は米金利の反発に伴い145円を再び付け、昨年高値の152円近辺の方が近く見える ...
日銀YCCの持続可能化と円安の持続可能性
やや緊張感をもって迎えられた4/28の日銀金融政策決定会合では「連続指値オペを毎営業日行う」というギャグのような政策が発表された。YCC(イールドカーブ・コントロール)の持続可能性への疑念がこの会合で直ちに対処が必要なほど深刻であったことは間違いなかったようで ...
日銀イールドカーブ・コントロールの歴史と限界
日本銀行は長らく長期金利(10年国債金利)を0%近辺に維持するイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を続けてきたが、そのYCCがここもとのグローバル金利上昇の煽りを受けて修正を迫られるのではないかとの観測が盛り上がっている。具体的にYCCは長期金利を±0.25%のレ ...