先進各国のインフレ退治の金融引締めで実質成長が一斉に抑圧されてきた中、2024年に入ってから米国の実質GDPコンセンサスだけが急に景気後退スレスレから盛り返し、一転して実質2%成長に戻っている。これは――日本は言うまでもなく――欧州と並べても飛び抜けて高く、米ド ...
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BTFPとRRPが作る流動性スケジュールが結局平準化
BTFPの終了 前回の記事でもセットで取り上げたBTFPとRRPについてのアップデートと訂正。BTFPについてはなくなる直前まで本ブログの理解は不完全であった。1/24、ついにオフィシャルにBTFPが3/11付けで終了することが発表された。前回の記事ではBTFPが「どう見ても異例で緊 ...
年末に話題を呼ぶBTFPとレポショック2もどき
年末にかけてはBTFPの利用額増加とレポ金利の上昇が話題になった。2023年3月の中小銀行危機に際して創設されたBTFP(the Bank Term Funding Program)の利用額はその後の中小銀行コミュニティのファンディング・ストレスを観測するためにモニターしていた市場参加者も多か ...
利上げ停止から始まる流動性のスケジュール
6月から始まったRRPの取り崩しは、一旦始まると止まらなくなっている。我々は債務上限問題で連邦政府がFedに置いていた政府預金(TGA)を極限まで取り崩し、6月初に債務上限が一時停止された後に国債増発を通してTGAを復元しにかかったことを学んできた。その過程は1兆 ...
QTが資産価格に限定的な威力を発揮する
RRPによるTGAの綺麗な代替 まず5月末に警戒されていた米国の債務上限とデフォルト騒ぎのその後について。今となっては99%の市場参加者がすっかり忘れ去っているに違いないが、債務上限の再撤廃に伴うT-Bill増発で1兆ドルの流動性吸い上げなどという与太話が大真面目に語 ...
当然何も出て来ないジャクソンホールと中立金利
利上げサイクルがどう見ても終盤に近付きつつある中でも一向に債券に買い安心感が出て来ない。過去の前例では利上げが止まったらあとは利下げしかないので目を瞑って債券を買えばよかったことが分かっているが、2023年夏になってその瞬間が近づきつつあることが分かってい ...
長短金利逆転=景気後退説の投資における敗北
S&P 500はボトムから20%上昇してブル・マーケット入りしたが、過去の多くのラリーがそうであったように幅広く納得はされていない。特に何かにつけて「債券投資家と株式投資家の温度差」が取り上げられてきた。曰く、米国債のイールドカーブがインバート(長短金利逆転)し ...
SIVBを人柱に金融政策はnot QEモーメントに突入
3月FOMC直前のブラックアウト期間に、シリコンバレー銀行(SVB, SIVB)の破綻が金融システムを震撼させた。話題になり始めてから一週間以内に資産規模で全米16位であったSIVBは破綻した。2008年のワシントン・ミューチュアルに続く大型破綻となった。シリコンバレー近辺の ...
1970年代とのあまりもの共通点の無さについて
パンデミック後の一時的な(Transitory)インフレが何とか鎮火に向かいつつある中、それでもFedは引締めスタンスを変えないと主張する際にちょいちょい持ち出されるのはGreat Inflationとも呼ばれる1970年代のインフレの前例である。これはジャクソン・ホールでのパウエル ...
Fedの自由研究と2023年利下げ織込みの是非
2022年後半のFedはコア化したインフレに振り回され続けた。従ってFedの意向よりも経済指標自体を分析する方が意味があったのだが、インフレの不確実性がだいたい落ち着いた後は再びFedの意向が重要になって来る。最近Fedはひたすら2023年の利下げ織込みという見えない敵と ...