BTFPの終了 前回の記事でもセットで取り上げたBTFPとRRPについてのアップデートと訂正。BTFPについてはなくなる直前まで本ブログの理解は不完全であった。1/24、ついにオフィシャルにBTFPが3/11付けで終了することが発表された。前回の記事ではBTFPが「どう見ても異例で緊 ...
タグ:MMF
利上げ停止から始まる流動性のスケジュール
6月から始まったRRPの取り崩しは、一旦始まると止まらなくなっている。我々は債務上限問題で連邦政府がFedに置いていた政府預金(TGA)を極限まで取り崩し、6月初に債務上限が一時停止された後に国債増発を通してTGAを復元しにかかったことを学んできた。その過程は1兆 ...
債務上限問題の解決に伴う1兆ドルの流動性吸上げ
5月の相場は米国の債務上限問題に振り回されてきた。米国では政府が発行できる国債総額の上限が法律によって定められており、これを債務上限(Debt Ceiling)と呼ぶ。債務が上限にぶつかると財政省は一部の支出を制限しなければならず、政府の一部閉鎖や、既存国債償還の資 ...
これから量(QT2とRRP)の話をしよう
ようやくFedのQT2が静かに始まった。6/1からFedの保有資産は償還再投資の減速を通じて減り始めているが、その減り方は全速力を出す9月までは緩慢である。本ブログは昨年12月に日本語メディアの中でもかなり早くQTとそのインパクトを取り上げていた。もっともその時の多くの ...
ステーブルコインのクラッシュを株、社債、MMFで喩える
仮想通貨コミュニティで互いに関連がある大惨事が同時に2つ起きた。時価総額ランキングトップ10圏内でもあったLunaコインの価格が99.99%以上下落した。またLunaによって価値を1ドルに保証されていたステーブルコインTerraUSD (UST)も米ドルとのペッグを失い0.1ドル台で推 ...
RPP付利引上げでFedが米ドル資金不胎化を加速
6月FOMCでは市場予想を上回るホーキッシュな結論が発表された。ドットチャートが利上げ開始タイミングの前倒しを示しただけなく、本ブログが「遠ざかった」と考えていたRRP付利とIOERの引上げが敢行された。IOERとRRP付利は同時に5bp引き上げられ、EFFR誘導コリドーは実 ...
米ドルLIBORが下がらない件
新型コロナ蔓延防止のための経済活動停止を下支えするためにFedは3/3に50bp、そして3/15に更に100bpの緊急利下げを行い、政策金利をそれまでの1.5 -1.75%から0 -0.25%まで急速に引き下げた。しかし、その後米ドル相場、債券、株のいずれを見てもしばらくゼロ金利政策が導 ...
LIBOR-OISスプレッドがすっかり戻ってきた
春に吹き上がって大騒ぎになったLIBOR -OISスプレッドがすっかり低位に戻ってきている。社債やCP発行企業の資金調達コストを金融政策から乖離して引締める効果を持っていたのでリスクオフ要因として取り沙汰されていたが、春に60bpもあったスプレッドはいまや20bp台ま ...
銀行業に寄生する世界最大のフィンテックMMF
世界中の金融業界従業員を嘲笑するかのように、2013年の立上げからわずか4年後の2017年に4億人から2000億ドル超を預かる世界最大のMMFまで成長した中国のオンラインMMF「余額宝(Yu'e Bao)」が岐路に立っている。 余額宝は、1999年に設立された中国の電子商取引企業アリ ...